医師国家試験を控えた医学生の方へ - 先輩研修医からのアドバイス -

2025年12月02日
その他
現在、初期研修中の先生方に、今年度の医師国家試験を控えた医学生の方へのアドバイスなどを伺いました。
”先生が医学生だったときの勉強やご経験の中で、現在の研修に特に役立っていると思われること、今年度の医師国家試験を控えた医学生の方へのアドバイスなど、ぜひお聞かせください。”

現在の研修に特に役立っていると思われること

  • Post-CC OSCEに向けて症候から疾患の鑑別を考える練習を繰り返したことが、国試の演習、救急外来での検査オーダー、上級医へのコンサルトに役立っていると考えています
  • 解剖や組織学は医者になってからやる時間は結構少ないので真面目にやっておくが吉だと思います。プラス、臨床研修先が弱い科があるとそこは学生時代(特に出身大学が強い科ならば)クリクラ等でしっかりやっておくと良いと思います
  • 感染症と抗菌薬に関してはしっかり勉強していてよかったと思いました。すぐ使える知識でかつ、勉強してるかしてないかの差が大きいし、少し勤務が楽になります
  • 実習で見た症例も覚えていることが多く、上級医の先生も覚えているそうなので、実習には積極的に参加したほうが良いと思います
  • 接客業など色んな人と話す経験。患者さんは自分とは全く違う環境の方ばかりなので、接客業など普段関わらないような方とも話す機会が学生のうちからあると患者さんと話す時に役立つ
  • 血液ガス、ガンマ計算、カロリー計算、BLS、ALSの勉強は研修の際も使えます。緊急性があること以外は携帯で調べられてしまうので、医学生時代は一刻を争う知識以外は気軽に勉強で良いと思います
  • 国家試験の勉強よりも、実習での臨床に即した経験の方が役に立つことは多く感じます。勉強は大事ですが、実習で経験できることは色々とやってみるといいです
  • 国家試験の問題の解き方を、きちんと病態生理に沿って勉強していたこともあって、忘れていた疾患があっても軽く見直すとすぐに思い出して納得できるようになりました。ときどき病態生理の理解が抜けていることもありますが…。できればですが、無理やり暗記ではなくコツコツやっていくのがおすすめです
  • 実習での経験は意外にも活きてきます。例えば腹腔鏡のカメラ持ちなどは初期研修でもやりますが、経験があるととてもスムーズにでき、先生に感心していただけます。実習での手技の機会は積極的にやるのが吉です
  • 部活で学んだ上下関係は上級医やコメディカルとのコミュケーションでよく評価していただけます。国試は生存者バイアスで楽勝といわれると思いますが、心身共に追い詰められるので早めの対策をお勧めします
  • 臨床実習で経験した症例(特に救急科での経験)は数が多ければ多いほど初期研修初めの働きやすさに繋がったと思う

勉強方法・アドバイスなど

  • 紙媒体での学習の記録は失われやすく検索もしづらいので復習が難しいと思います。研修医になってからHokutoアプリのノートで学習の記録をしていますが、学生の実習の記録もそこに入れておけばよかったと後悔しています。是非アプリを入れてみてください
  • 耳にタコが出来るほど聞いたことがあると思いますが、QBに出ていた事や普段の実習が研修医になると大事になってきます。特に実習は手技にも積極的にチャレンジして欲しいです
  • あくまでクエスチョン・バンクなどの過去問を徹底する。誤りの選択肢を全て訂正できるようにする。理解が悪いところは教科書などで学ぶ。とりあえず合格しないと、先に進めない
  • とにかく機序の理解。暗記で国試合格は12月から始めても余裕で間に合う。けどその知識はすぐ消える。機序から理解してる内容はいつまでも忘れないし、ど忘れしても思い出すのに時間がかからない
  • 基礎医学、臨床の基礎。どのように薬剤が作用するか、またどのような機序で正常に身体が機能しているかを知っておくといちいちそれを調べ直す必要がないため
  • 国試で出る疾患はコモンor致死的なものが多く、当直では必要になるため、確かだと思います!仕事が始まると勉強しづらくなるので学生のうちに勉強しておくと楽になると思います!
  • 国試の知識は、実臨床の基礎となるので、非常に大切です。知識で救われることもあるので、知識を大切にして下さい
  • 国試の勉強の知識使わないとか言っている人いますが、普通に使います。ですので、国家試験の勉強を一生懸命頑張ってください
  • 医学生だからという謎のプライドを捨てること。研修医なんて周りに迷惑かけながら学んでいくものだから、変なプライドは本当に邪魔になるだけだと思いました

調査概要

調査タイトル
研修医アンケート(2025年9月)
調査期間
2025年9月10日(水)~16日(火)
調査手法
インターネットアンケート
対 象 者
初期研修中の先生
回答者数
331名(n=331):1年目125名、2年目206名